産業用太陽光のFIT/FIP価格【2026年度】屋根・地上・出力別に整理
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
産業用太陽光のFIT/FIP価格【2026年度】屋根・地上・出力別に整理
2026年度の産業用太陽光のFIT/FIP価格は、設置形態、出力、入札対象かどうかで異なるため、同じ「産業用太陽光」として一律に比較できません。確認時には、価格だけを抜き出さず、認定年度、地上または屋根という設置形態、出力区分を一組として扱います。2026年度の区分と価格は、経済産業省と資源エネルギー庁の公表資料に基づきます。
FITでは調達価格、FIPでは基準価格、入札対象区分では上限価格という用語を使います。2026・2027年度は50kW以上がFIP制度のみ認められる対象とされ、FIT制度が認められる対象とはならないため、価格を読む前にどちらの制度の値かを確認します。本記事では、制度上の言葉と価格表の読み方を分け、検討条件を記録するときの確認順と2026年度の区分を整理します。
地上設置について本記事で整理する制度情報は、2026年度認定分までを対象とします。年度をまたぐ計画では、地上設置の扱いを過去の価格表だけで判断せず、当該年度の公表資料を確認します。
2026年度の産業用太陽光のFIT/FIP価格とは
FIT/FIPの価格は、事業者が任意に決める見積単価ではなく、認定区分ごとに定められる制度上の価格です。再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第108号)では、FIPの基準価格・交付期間を第2条の3、FITの調達価格・調達期間を第3条に置いています。現行版の最終改正施行日は2026-05-21、確認日は2026-09-05です。
e-Gov法令検索「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」で条文を確認できます。価格の言葉を読み分けると、制度値は用語と認定区分を一緒に確認できます。
| 確認する言葉 | 制度上の位置付け | 価格表で確認する対象 |
|---|---|---|
| FITの調達価格 | 第3条に基づく価格 | FIT認定の区分、調達期間 |
| FIPの基準価格 | 第2条の3に基づく価格 | FIP認定の区分、交付期間 |
| 入札の上限価格 | 入札実施指針に定める上限 | 入札対象区分、回ごとの条件 |

FITの調達価格、FIPの基準価格、入札の上限価格の違い
FITは調達価格と調達期間、FIPは基準価格と交付期間を確認する枠組みです。入札対象区分では、個別の価格を同じ意味で読むのではなく、上限価格と入札実施指針の条件を確認します。用語を混ぜると、どの制度値を比較しているかが分からなくなります。
経済産業大臣は、毎年度の開始前に区分ごとの価格・期間を定めます。決定に当たって調達価格等算定委員会の意見を尊重し、決定後に告示する仕組みは、第2条の3と第3条に定められています。出典は前掲のe-Gov法令検索、確認日は2026-09-05です。
屋根・地上・出力別の2026年度早見表
次表は、2026年度の事業用太陽光について、設置形態と出力を分けて並べたものです。屋根設置は10kW以上50kW未満と50kW以上の二つの区分があり、どちらも二段階の価格である点を確認します。
| 設置形態・出力区分 | 2026年度の価格 | 期間 | 認められる制度(2026・2027年度) |
|---|---|---|---|
| 地上設置・10kW以上50kW未満 | 9.9円/kWh | 20年間 | FITの調達価格。条件を満たす場合はFIPも可 |
| 地上設置・50kW以上、入札制度対象外 | 9.6円/kWh | 20年間 | FIP制度のみ。FITの対象とならない |
| 屋根設置・10kW以上50kW未満 | 最初の5年は19円/kWh、6〜20年目は8.3円/kWh | 20年間 | FITの調達価格。条件を満たす場合はFIPも可 |
| 屋根設置・50kW以上 | 最初の5年は19円/kWh、6〜20年目は8.3円/kWh | 20年間 | FIP制度のみ。FITの対象とならない |
出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」および経済産業省の2026年度価格公表、確認日は2026-09-05です。価格を転記するときも、表の行にある設置形態・出力・期間を省かないことが大切です。
右端の列は、その区分でFIT制度とFIP制度のどちらが認められるかを示します。2026・2027年度は50kW以上がFIP制度のみ認められる対象とされ、FIT制度が認められる対象とはなりません。したがって50kW以上の行にある9.6円/kWhや19円/kWhは、FIPの基準価格として読みます。FITは調達価格による買取、FIPは基準価格に基づく交付金という別の枠組みのため、同じ数字でも収入の組み立て方が変わります。
ただし沖縄地域・離島等供給エリアでは、FIP制度のみ認められる対象とされている場合でもFIT制度を適用できます。50kW未満についても、一定の条件を満たす場合はFIP制度が認められます。出典は調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)別紙の総括表の注記および全電源共通事項、確認日は2026-09-11です。
地上設置の二行は、2026年度認定分までの制度情報として読みます。将来の導入計画では、認定年度を早見表の近くに記録し、別年度の区分を混在させないようにします。
設置形態と出力で確認する3つの区分
設置形態と出力は、同じ太陽光設備でも価格表の行を分ける基準です。価格表の行を決める確認順は、設置形態、出力区分、認定年度です。確認表では、地上設置の二つの出力区分と、屋根設置の二段階価格を別々に記録します。10kW以上50kW未満や50kW以上は、確認表では設備規模としても記録します。
確認表では、設置形態と設備規模を先に記録します。これにより、別の価格表の行を混同しにくくなります。入札対象は、設備規模だけで決めないことが重要で、価格表の区分と入札条件を照合します。
| 最初に記録する項目 | 確認の理由 | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 設置形態 | 地上と屋根で価格区分が異なる | 地上設置または屋根設置 |
| 出力区分 | 10kW以上50kW未満と50kW以上を区別する | 該当する価格表の行 |
| 認定年度 | 年度によって制度値が変わる | 2026年度認定分かどうか |

地上設置10kW以上50kW未満の確認点
2026年度の地上設置10kW以上50kW未満は、9.9円/kWh、期間は20年間です。出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」、確認日は2026-09-05です。10kW以上50kW未満の事業用太陽光のFIT新規認定には、自家消費型の地域活用要件が設定されています。
この区分を検討条件に入れるときは、価格だけで判断せず、FITかFIPか、認定の対象区分かを合わせて確認します。一定の条件を満たす場合には、50kW未満でもFIP制度が認められることがあるため、制度名を見積書上の単価名と混同しないようにします。根拠は前掲の資源エネルギー庁資料、確認日は2026-09-05です。
地上設置50kW以上と入札対象外区分の確認点
2026年度の地上設置50kW以上で入札制度対象外の区分は、9.6円/kWh、期間は20年間です。出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」、確認日は2026-09-05です。50kW以上という出力だけで入札対象かどうかを決めず、価格表の区分と入札条件の両方を照合します。
この区分の9.6円/kWhは、FIPの基準価格として記録します。2026・2027年度は50kW以上がFIP制度のみ認められる対象とされ、FIT制度が認められる対象とはならないためです。沖縄地域・離島等供給エリアはこの限定の例外で、FIT制度を適用できます。出典は調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)別紙の総括表の注記および全電源共通事項、確認日は2026-09-11です。

入札対象区分を指定する根拠は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法第4条第1項です。入札容量、参加資格、上限価格、認定申請期限などの入札実施指針の記載事項は同法第5条第2項・第4項に基づきます。入札の条件を二段で確認し、対象区分の指定と入札実施指針を分けて確認します。出典は前掲のe-Gov法令検索、確認日は2026-09-05です。
屋根設置と入札対象を混同しないための見方
屋根設置の価格と入札の扱いは、出力だけではなく設置形態によっても分かれます。屋根設置と入札を分けて見ることで、二段階価格と入札対象を混同しません。次の確認表では、屋根設置の二段階価格と、250kW以上の入札対象を同じ行にせずに整理します。屋根の二段階価格と入札条件を混同しないことが確認の要点です。
| 確認したい事項 | 2026年度に見る条件 | 読み違えを避ける点 |
|---|---|---|
| 屋根設置の価格 | 10kW以上50kW未満、50kW以上の各区分 | どちらも5年目までと6〜20年目を確認する |
| 入札の対象 | FIP認定対象のうち250kW以上 | 屋根設置は入札を免除する |
| 入札の回数・上限価格 | 4回、全回9.6円/kWh | 回数と上限価格を別の年度情報と混ぜない |

屋根設置10kW以上の二段階価格
事業用の屋根設置10kW以上は、最初の5年が19円/kWh、6〜20年目が8.3円/kWhです。2026年度の屋根設置は、10kW以上50kW未満と50kW以上の二つの区分に分かれ、いずれも同じ二段階価格です。出典は経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」、確認日は2026-09-05です。
初期の19円/kWhだけを切り出すと、20年間の価格構造を取り違えます。屋根の検討条件には、設置形態、出力区分、5年目までの価格、6〜20年目の価格を一緒に残すと、後から制度値を確認し直しやすくなります。
250kW以上の入札対象と屋根設置の扱い
2026年度の入札対象は、FIP認定対象のうち250kW以上です。ただし屋根設置は入札を免除し、入札は4回、各回の上限価格は9.6円/kWhです。出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」、確認日は2026-09-05です。
入札対象の確認では、設置形態を先に確かめてから出力と認定区分を見る順番が有効です。屋根設置であることを確認せずに250kW以上だけで判断すると、入札免除という条件を見落とすおそれがあります。
よくある質問
2026年度の価格を確認する質問では、年度、設置形態、出力、期間を一緒に確認します。図に整理した価格確認の三つの質問は、地上設置の価格、屋根設置の二段階価格、入札の条件です。本節ではこれに加えて、50kW以上に認められる制度も取り上げます。
次表は、回答を読む前に見直したい条件の一覧です。年度と設置条件を一組で確認することで、価格だけを抜き出すことを避けられます。
| 質問 | まず確認する条件 |
|---|---|
| 地上設置10kW以上50kW未満の価格 | 2026年度、地上設置、10kW以上50kW未満 |
| 屋根設置の19円 | 5年目までと6〜20年目の二段階価格 |
| 250kW以上の入札 | FIP認定対象、設置形態、入札免除の有無 |
| 50kW以上はFITかFIPか | 2026・2027年度に認められる制度、沖縄地域・離島等の例外 |

2026年度の地上設置10kW以上50kW未満の価格は
2026年度の事業用太陽光の地上設置10kW以上50kW未満は、9.9円/kWhです。年度、設置形態、出力区分をセットで確認します。出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」、確認日は2026-09-05です。
この数値を条件整理に使う場合は、地上設置であることと、20年間の期間もあわせて記録します。別の設置形態や別年度の価格表と一行に混ぜず、該当区分だけを参照します。
屋根設置10kW以上の19円は20年間続くか
事業用の屋根設置10kW以上は、最初の5年が19円/kWh、6〜20年目が8.3円/kWhです。19円/kWhだけで比較せず、20年間の二段階価格として確認します。出典は経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」、確認日は2026-09-05です。
屋根設置は10kW以上50kW未満と50kW以上に分かれていますが、2026年度は両区分とも同じ二段階価格です。出力だけで価格を推測せず、設置形態を含む表の行を確認します。
250kW以上は何回の入札があるか
2026年度は4回で、各回の上限価格は9.6円/kWhです。対象はFIP認定対象のうち250kW以上であり、屋根設置は入札の対象外です。出典は資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」、確認日は2026-09-05です。
入札に関する条文では、対象区分の指定と実施指針の内容を分けて読みます。対象区分は同法第4条第1項、上限価格などを定める入札実施指針は同法第5条第2項・第4項です。出典は前掲のe-Gov法令検索、確認日は2026-09-05です。
50kW以上はFITとFIPのどちらになるか
2026・2027年度の50kW以上は、FIP制度のみ認められる対象とされ、FIT制度が認められる対象とはなりません。地上設置の9.6円/kWhも、屋根設置の19円/kWhと8.3円/kWhも、50kW以上ではFIPの基準価格として読みます。出典は調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)別紙の総括表の注記、確認日は2026-09-11です。
沖縄地域・離島等供給エリアでは、FIP制度のみ認められる対象とされている場合でもFIT制度を適用できます。50kW未満についても、一定の条件を満たす場合はFIP制度が認められます。出典は前掲の調達価格等算定委員会の意見の別紙にある全電源共通事項、確認日は2026-09-11です。
まとめ
2026年度の産業用太陽光のFIT/FIP価格は、地上か屋根か、出力、入札対象かどうかで読み分けます。特に屋根設置は、10kW以上50kW未満と50kW以上の二つの区分を分けたうえで、最初の5年と6〜20年目の二段階価格を確認する必要があります。50kW以上は2026・2027年度にFIP制度のみ認められる対象とされ、FIT制度が認められる対象とはならないため、価格と一緒に制度も記録します。
制度値を条件整理に使う際は、価格、認定年度、設置形態、出力、期間、確認日を同じ記録に残します。制度全般は制度解説カテゴリ、記事一覧はブログ一覧で確認できます。掲載内容の訂正連絡はお問い合わせをご利用ください。
出典
- 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(meti.go.jp)
- 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」(enecho.meti.go.jp)
- e-Gov法令検索「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(laws.e-gov.go.jp)
- 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)(meti.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。産業用太陽光の FIT/FIP・補助金制度と導入方式別の費用構造について、資源エネルギー庁・経済産業省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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